2013年07月07日
描写する能力
写真といえば何かを撮るというのが普通の考えであろうと思われる。絵の場合も同様に何かを描くと言えると思うが、絵画の場合その何かとは物質的なオブジェに限ることなく自分の脳裏をも含めたこの広い、自分の目で見たこともなく、見ることも無いであろう全宇宙をも含まれると思われる。
写真では「描写する」能力が非常に高く、また、ほぼ真実であるがゆえに、そして我々人間は、風景や物に自分の遠い記憶や感覚、想いなどを寄せることが出来るため「描写する」ことの魅力からなかなか脱出できないでいるのだと思う。
私自身も同様の思いから写真を撮りたいという誘惑に駆られることがある。そして道具であるカメラにも魅力を感じる。ただ自分は若くなく、体力的な限界を感じている。何でも出来る、怖いもの知らずの昔の自分ではもうない。カメラの重量を感じてしまう。今の、そしてこれからの自分に出来ることを精一杯やっていくことしか出来ない。ただ、逆に言えば自分の考えている創作活動のみを迷い無く推し進めることが出来るのである。他人がどう思おうが関係ない。自分に残された自分の人生を迷い無く進んで行きたい。そう、強く感じるのである。