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Henri Cartier-Bresson (1908〜2004)
アンリ・カルティエ=ブレッソン
アンリ・カルティエ=ブレッソンは20世紀を代表する伝説的な写真家で「決定的瞬間」という言葉を生みだした。1908年8月22日フランスに生まれたブレッソンは若くしてシュールレアリスムの影響を受け、1927年から1928年にかけてキュビズムの彫刻家アンドレ・ロートに師事し、1931年にはマン・レイの影響を受け本格的に写真を撮り始めるようになる。ブレッソンは1933年にニューヨークで初の写真展を開催するが、彼の写真は一部の人達にしか受け入られなかったようである。
第2次大戦でフランス軍に加わったブレッソンはドイツ軍の捕虜となり戦死したという噂が流れ、1946年にニューヨーク近代美術館で彼の回顧展が開催されたが、脱走して生きていたブレッソンが自分の回顧展に出席するというハプニングがあった。ブレッソンは1947年にロバート・キャパ、デヴィット・シーモアらと供に写真家集団「Magnum Photo(マグナムフォト)」を結成し、雑誌社などの依頼を受け精力的な仕事をこなし、1954年にはカメラマンとしてはじめてソビエト連邦に入国を許可され撮影を行っている。1952年にブレッソンの写真集として最も有名な「The Decisive Moment(決定的瞬間)」が出版される。1966年にマグナムフォトを退会したブレッソンは1974年以降画家としての道を歩んでいる。
ブレッソンはライカM-3に黒テープを貼り、50mm標準レンズで絞りはf/2で相手に気づかれないよう撮影するスタイルが中心であった。ブレッソンはフランスのレジョン・ド・ヌール勲章を2回辞退し、海外記者クラブ賞を4回受賞し、1975年にはイギリスの大学で写真家としては初めてオックスフォード大学から名誉博士号が与えられた。ブレッソンは2004年8月3日、南フランス、プロヴァンスの別荘で死去。
左・「ヨーロッパ風景・パリ」1932 右・「階段を昇るギリシャの少女」1963年頃
※左写真はライフ写真講座「写真芸術」右写真はライフ写真講座「カメラ」
タイムライフブックス編集部・編集 タイムライフブックス・発行より
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