系もしくは景ここに照井
康文
の写真が有る。
それは、近い位相の物たちが、それぞれ一つの「系」として収束されている。
通常、写真は一枚一枚それぞれに“特種”であるといえる。
“一般的な写真”というのは原理的に存在しないと思っている。
それは、それらの写真が“撮影された”という過去形だけで、すでに一枚としての主張を始めるからである。
照井の営為は、近似に拠って全体性を、差異に拠って個別性を主張する複数の写真を一つの「景」として提示し、それらの写真の、写真という「物」としての存在理由を問うていく作業であるのだろう。
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