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照井康文

世界の写真家達
Takuma Nakahira (1938〜2015)
中平 卓馬

 

 上写真・2点とも中平卓馬写真集「新たなる凝視」(晶文社)より
 1938年7月6日、中平卓馬は東京・原宿に生まれる。1963年東京外国語大学スペイン語科を卒業した中平卓馬は同年、「現代の眼」(現代評論社)編集部に勤務し1965年に退社をしている。この頃中平卓馬は寺山修司、東松照明、高梨豊、森山大道、柳本尚規らと親交を深めている。1968年、中平卓馬は高梨豊、美術評論家の岡田隆彦、思想家で評論家の多木浩二と共に写真同人誌「Provoke(プロヴォーク)」を創刊(1970年に解散)する。
 1970年、最初の中平卓馬写真集「来るべき言葉のために」(風土舎)が創刊、1973年には映像論集「なぜ、植物図鑑か」(晶文社)が発刊され、同年、中平卓馬は睡眠薬常用のため知覚障害を起こし約1ヵ月間入院をしている。その直後それまでの大半のネガを自ら焼却処分することとなる。この頃の中平卓馬は以前の「アレ、ブレ、ボケ」で詩的な自らの写真作品を否定し「図鑑のような写真」を目指し苦悩していた。
 1977年9月、中平卓馬は急性アルコール中毒症に倒れ、12月に退院するも記憶の一部を失い、失語症となり、逗子の自宅が理解できず横浜の父の家へ移ることとなる。その後の中平卓馬は自分を取り戻すかのように懸命に写真撮影を行い1983年、2冊目となる写真集「新たなる凝視」(晶文社)を発刊する。2003年、横浜美術館にて約2ヵ月間、中平卓馬個展「中平卓馬・原点復帰−横浜」が開催される。
 2015年9月1日肺炎のため死去。

 

 上写真・2点とも中平卓馬写真集「原点復帰ー横浜」(オシリス)より