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照井康文

世界の写真家達
August Sander (1876〜1964)
アウグスト・ザンダー
 ザンダーは1876年11月17日ドイツ・東ケルンに鉱山職人の子供として生まれた。ザンダー自身も鉱山で働いていたが、鉱山で撮影していたカメラマンの助手をしているうちに写真撮影の技術を学んだ。そしてザンダーは親戚の援助を受けてカメラを購入し、暗室を作り、鉱山で働きながら写真を撮影していた。ザンダーは1901年からオーストリア・リンツのスタジオで働き、1910年にはドイツ・ケルンに自分のスタジオを持つようになる。1920年代初期にケルンの美術家グループ「Progressive Artists」に加わり肖像写真を本格的に撮影するようになる。
 ザンダーは自然や風景、建築物等多くの写真を撮影したが肖像写真が最も有名である。ザンダーは「20世紀の人々」というプロジェクト(「農民」「職人」「女性」「学者」「芸術家」「都会の人々」「ホームレス・他」からなる7つに分類されていた)を企て、名もない多くの人々の肖像写真を撮影した。ザンダーは1929年それら肖像写真60点からなる初の写真集「Face」を出版している。しかし、ナチ体制下でザンダーの息子Erichが1934年に逮捕され懲役10年の刑を受けることとなり、ザンダーの写真集や写真も押収されてしまう。息子Erichは1944年に死去。ザンダーは1964年4月20日に死去。
 ザンダーはナチ政権の中、写真のネガを10年以上にわたり隠し続け、1万枚以上の写真の中から524枚の肖像写真を選び写真展を開こうとしたが、彼の存命中にそれは実現しなかった。ザンダーの生誕100年にあたる1976年、ケルンのフォトキナでザンダー自身が望んでいた内容でその写真展が実現した。
 「労働者」1927
※写真はライフ写真講座「写真芸術」タイムライフブックス編集部・編集
タイムライフブックス・発行より