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照井康文

世界の写真家達
Jean Eugene Auguste Atget (1857〜1927)
ユジェーヌ・アッジェ
 1857年2月12日フランス生まれ。アッジェは幼少時に両親を亡くし孤児となり母方の祖父母に育てられる。子供のころ船乗りをしていたがその後俳優となり、29歳のとき生涯の愛人ヴァランティーヌ・ドラフォス(女優)と出会う。長き巡業生活の後、30代なかばにして写真家を決意する。
 アッジェはパリのアパートに「芸術家のための資料」という看板を出し、写真を売っていたが生活は苦しかったようである。40歳の頃よりパリを中心に撮影をはじめ、膨大な数のガラス乾板を残すこととなり、公的機関にも相当数の写真を売却している。しかし存命中のアッジェは写真家として無名であった。
 1925年アッジェはマン・レイの助手であった写真家のベレニス・アボット女史と出会う。翌年の1926年6月20日、最愛の愛人ヴァランティーヌ・ドラフォスが死去。翌年1927年8月4日、愛人の後を追うようにアッジェは30年間暮らした簡素なアパートで一人寂しくその生涯を閉じた。アッジェの死後、アボット女史がアッジェの写真を後世に残すこととなる。
※参考文献・ライフ写真講座
「ウジェーヌ・アッジェ回顧」東京都写真美術館企画・監修 淡交社出版

  


「Femme de Verrieres」1922 「Jouy-en-Lasas」1925 「Etang de corot」1925
 ※写真は3点とも「THE WORK OF ATGET:Old France volume1」
GORDON FRANSER (London)より