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Peter Henry Emerson(1856〜1936)
ピーター・ヘンリー・エマーソン
写真はますます空想的な作品を作り出し、写真自体の自滅に追いやられていた頃、イギリス系のアメリカ人でもと医学生の写真家ピーター・ヘンリー・エマーソンを中心として新しい運動が始まり、アメリカとイギリスの写真界に大きな影響をもたらした。
「写真は絵画から独立した独自の芸術である。」とし、修正写真や合成写真、絵画のマネゴトに真っ向から挑戦したのである。写真自体の能力を最大限に引き出し、ありのままの自然さを写し出すことを強く提唱し実践した。1889年「自然主義写真」という書物を出し、その中でその自説を記述した。
写真技術の面からもこれを追求し、人間の目に見えるよう写真を写し出すことに努力し、科学的原則を適用し焦点合わせで焦点は鮮明に、周辺はぼけるようにした。しかしやがてそれは限界に達し挫折の時期に入ってしまう事となる。「自然主義写真」発表からわずか2年後には自ら「自然主義写真は死んだ」と声明を発表し、写真はあらゆる芸術の中で最低のものであると、写真を放棄してしまう。
しかしエマーソンの残した運動と影響は確実に次の世代に受け継がれ始めていた。
「葦をひく人」1885年
※写真はライフ写真講座「68人の写真家」
タイムライフブックス編集部・編集
タイムライフブックス・発行より
※参考文献・ライフ写真講座
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